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代表的なハーブの最新研究報告 バタフライピー

バタフライピー(タイ語名:アンチャン)は、鮮やかな青色の花を持つマメ科の蔓性植物です。

伝統的にタイや東南アジアでは、乾燥花をお茶(アンチャン茶)として用い、記憶力向上や毛髪の黒色維持に効能があるとされてきました。

また、食品の天然着色料(青~紫色)としても利用されています。

花にはポリフェノールの一種であるアントシアニン(特にテルナチン類)が豊富に含まれ、これらが鮮やかな青色と抗酸化作用の源となっています。

ほかにもフラボノール配糖体や環状ペプチド(クリオチド)など多様な化合物を含み、古来より抗炎症、抗糖尿病、抗うつ、抗けいれん、抗酸化作用など幅広い薬理効果が知られてきました。


近年の主な研究成果


・記憶・認知機能の改善


バタフライピーの根抽出物には脳機能を保護する作用が報告されています。

2020年のラット実験では、慢性脳虚血モデルラットに28日間経口投与した結果、空間記憶障害が有意に改善し、海馬CA1領域のニューロン損傷が軽減しました。

また、高用量投与群(300 mg/kg)では海馬におけるアセチルコリンエステラーゼ活性の上昇が抑制され、中枢コリン作動系の機能低下が防止されました。

本研究は、バタフライピー根成分が血管性認知症モデルにおける認知機能低下を改善する可能性を示しています。

一方で、ヒトを対象とした大規模臨床研究は依然として少なく、2018年の予備的研究では明確な認知機能改善効果は確認されておらず、今後さらなるエビデンスの蓄積が必要とされています。


・抗酸化・抗炎症作用


バタフライピー花抽出物には強力な抗酸化作用が認められています。

タイの文献では、アントシアニンなどの成分がフリーラジカルを消去し、細胞の酸化ストレスを軽減することが示されています。

また、抗炎症作用として、リポ多糖刺激マクロファージにおける炎症性サイトカイン産生の抑制が報告されています。

これらの知見は、伝統的に行われてきた眼精疲労や炎症緩和への民間利用を科学的に裏付けるものです。


・食品科学・応用


バタフライピー由来の青色素は食品産業でも注目されていますが、アントシアニンは熱やpH変化により分解しやすい性質を持っています。

そのため、近年ではマイクロカプセル化による安定化技術が研究されています。

レビュー論文では、微細カプセル化により色素および抗酸化成分の安定性が向上し、機能性食品への応用範囲が拡大することが示されています。


・皮膚・化粧品応用


2026年に発表された研究では、バタフライピー花の水抽出物(CTFW)およびエタノール抽出物(CTFE)の皮膚安全性と抗大気汚染作用が評価されました。

その結果、両抽出物とも皮膚刺激性および光毒性が低く、安全性が高いことが確認されました。特に水抽出物(CTFW)は活性酸素種(ROS)の消去能力に優れ、PM2.5によるケラチノサイトの炎症および老化関連タンパク質の発現を有意に抑制しました。

これらの結果は、バタフライピーが抗炎症・抗酸化作用を有するコスメティクス素材として有望であることを示しています。


参考文献

  • Oguis G. et al. Clitoria ternatea の抗酸化・抗糖尿病活性

  • Damodaran T. et al. バタフライピー根抽出物の抗認知症効果

  • Wu T.H. et al. バタフライピー花抽出物の抗大気汚染作用および皮膚安全性評価


 
 
 

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