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中東情勢とタイの医薬品事情

― 有事に備える動き


タイムリーな情報として共有いたします。

現在、中東情勢が不安定であることから、タイ国内では西洋薬の多くが海外からの輸入品であるため、国内流通が不足するのではないか、またプラスチック製品も不足するのではないかといった不安の声が出ています。


これを受けて保健省は、FDAに対しタイ国内の薬備蓄システムの監視および強化を指示しています。 (特に必須医薬品が63項目あるとされています。)



供給リスクへの対応

また、紛争地域にある生産拠点への依存リスクを軽減するため、

・原材料や医療品の代替調達先の確保 ・コスト上昇に伴う医薬品の中間価格の見直し ・プラスチック包装に代わる容器の検討 ・必要に応じた容器再利用のための滅菌方法の策定 (プラスチック原材料の多くが中東で生産されているため)

などを進め、輸入手続きの簡素化も図られているようです。



ハーブによる代替という選択肢

事態が長期化し、現代医薬品(西洋薬)の供給に影響が出た場合には、国家必須薬物リストに掲載されている32項目の「生薬(ハーブ)」による代替が検討されるよう伝えられています。

・風邪の症状:ファータライジョーン、マカームポム ・筋肉痛:プライクリーム ・麻痺・半身不随によるしびれ:カンナビスオイル ・不眠症:カンナビスオイル

タイ政府が有事に備え、伝統的な生薬を具体的な代替案として提示している点は、非常にタイらしく興味深いものです。



アバイブーベとスパポーン博士の取り組み

ハーブといえばアバイブーベですが、ここからが特に関連する興味深い部分です。

スパポーン博士は、このような危機的状況や緊急事態において極めて重要となる「国内で栽培可能な生薬」を原材料とし、海外製薬の代替となるタイ生薬の開発に注力しているとされています。

2025年より、ソンクラー大学(PSU)の研究・開発推進機構および医療・イノベーション研究所と協力し、以下の研究開発を進めるための協議が行われています。

  1. 「ヘンプ(大麻草の一種)とサープスアのエキスを配合した止血製品」  止血および鎮痛を目的とした製品

  2. 「クラトム(ミトラガイナ)エキスのカプセル剤」  中程度の激しい痛みを緩和するための製品

高い生産能力と品質基準を持つアバイブーベの工場で製造することで、有効成分の安定性を確保し、将来的な医薬品・医療品としての登録を目指す方向です。



サープスア(Chromolaena odorata)の力

サープスアの葉には、アニス酸や多種類のフラボノイドが含まれています。 これらの成分は血管壁に働きかけて血管を収縮させ、血液を固める物質を活性化させることで、迅速な止血を可能にします。

古くからタイでは、サープスアは以下の用途で用いられてきました。

・止血、切り傷の治療、傷口の癒着促進 ・解毒、抗炎症 ・リンパの毒素(湿疹など)の改善 ・目の疲れ、目やにの改善 ・痔の治療 ・潰瘍や、ヒルに噛まれた傷の治療



自給自足の精神

サープスア(和名:クロモラエナ・オドラタ)は非常に生命力が強い植物です。

こうした身近な植物で自国を支えるという考え方は、プミポン国王の掲げた「足るを知る」という自給自足の精神を体現しているものとも言えます。

なお、本内容は複数の情報を組み合わせたものです。 また、スパポーン博士に関する内容はバーンラオルアンから翻訳したものを含みます。


 
 
 

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