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タイ伝統の香り薬「ヤーホム」


― ヤードムとの違いと、処方の選び方


タイに行くとよく見かける“香りの薬”。それが「ヤーホム」と「ヤードム」です。

なんとなく似ていますが、実は役割がまったく違います。


ヤーホムとヤードムの違い

■ ヤードム(嗅ぐタイプ)

スティックやボトルで香りを吸うタイプです。

ミントやユーカリなどが中心で、眠気覚ましや気分転換、軽いめまい対策に使われます。

コンビニで手軽に買える、即効性のあるリフレッシュアイテムです。

■ ヤーホム(飲むタイプ)

粉末を水やお湯に溶かして飲むタイプです。

複数のハーブがブレンドされており、めまい、動悸、吐き気、気分の乱れなどに使われます。

体の内側から整える、本格的な処方です。

シンプルにいうと

✔ ヤードム → 外から刺激する ✔ ヤーホム → 内側から整える

この違いになります。

ただし、ここに一つ大事なポイントがあります。

ヤーホムは「まず嗅ぐ」が基本です

ヤーホムは飲むものですが、いきなり飲むのではなく、


👉 まず香りを嗅ぐ

👉 そのあと飲む


という流れが基本になります。

つまりヤーホムは、「飲むヤードム」のような側面も持っています。

香り(嗅覚)と、飲む(味覚)の両方から、自律神経に働きかける設計です。

また、お湯に溶かすのも単に飲みやすくするためではなく、 👉 香りをしっかり立たせるため

という意味があります。

ヤーホムの考え方

タイの伝統医学では、体は

「風・火・水・土」

のバランスで成り立っていると考えられています。

このバランスが崩れたときに起こりやすいのが、

・めまい・動悸・吐き気・気分の不安定さ

といった不調です。

いわゆる“自律神経のゆらぎ”に近い状態です。

ヤーホムは、血流・神経・消化のバランスを整えるように働きかけます。

処方ごとの特徴

① インタチャック

メンタルの揺れや女性特有の不調に向いています。

気分の落ち込みや不安定さ、めまいなどに。血流を促し、頭がすっきりする感覚が特徴です。

② テープジッ

ストレスや神経疲労タイプに向いています。

不安感や緊張、眠りにくさなどに。考えすぎて疲れている方に合いやすい処方です。

③ ナワコット

胃腸とめまいが関係しているタイプに。

吐き気や食欲低下、お腹の張りなど。腸の動きを整えながら不調を和らげます。

④ ティップオソット

熱やのぼせが気になる方に。

体のほてりやだるさ、PMSのような不調に。体にこもった熱を抜いて落ち着かせます。

使用のポイント

・1回あたり 約1〜1.4g・水またはお湯に溶かす・体調に合わせて調整

“決まった飲み方”というより、体の状態に合わせて使うものです。

注意点(重要です)

・抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)との併用は注意・ハーブアレルギーのある方は慎重に

そして、もう一つ大切なポイントです。

■ 妊娠中は基本的に推奨されません

ヤーホムには、

・血流を強く促進するハーブ(例:サフラン)・血液の凝固に影響する生薬

が含まれていることが多く、

👉 子宮収縮の可能性 👉 出血リスク

に関わる可能性があります。

また、複数のハーブが組み合わさることで、単体よりも作用が強く出る場合があります。

そのため、 👉 妊娠中の使用は推奨されていません

というのが一般的な考え方です。

血流促進は一見良い作用ですが、強く働きすぎることでリスクになる場合もあります。

ハーブは自然なものですが、それだけ“しっかり作用する”ものでもあります。

まとめ

ヤーホムは「どれが良いか」ではなく、

👉 今の自分の状態にどれが合うか

で選ぶものです。

✔ メンタルの揺れ → インタチャック / テープジッ ✔ 胃腸+めまい → ナワコット ✔ 熱・のぼせ → ティップオソット

そしてもう一つ大切なのが、

👉 香りを嗅いでから飲む

という使い方です。

香りとハーブ、両方から整える。 シンプルですが、とても理にかなったアプローチです。

タイで日常的に使われている理由も、そこにあります。


 
 
 

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