タイハーブの魅力と可能性
- 日本タイハーブ協会
- 7月6日
- 読了時間: 3分
更新日:7月14日

~暮らしに根ざした自然の叡智~
〇タイとハーブの深いつながり
タイは、自然豊かな気候と風土に恵まれた国であり、いにしえの時代から、人々の暮らしのなかにハーブ文化が深く根づいてきました。実際に現在に至るまで、料理、医療、宗教儀礼、美容などさまざまな場面で植物の力が活用されています。
その中でも、特に注目すべきは、タイの人々がハーブを「日常の中の薬」として捉え、病気予防・体質改善・健康維持の手段として利用してきたという点といえるでしょう。
ハーブは単なる調味料や香草ではなく、「サムンプライ(สมุนไพร)」という言葉が示すように、伝統医学の重要な治療手段として位置づけられてきました。現代においてもハーブの価値は見直され、タイ政府や医療機関、研究機関が連携して、ハーブを活用した健康づくりが推進されています。
タイ伝統医学におけるハーブの役割
タイ伝統医学(Traditional Thai Medicine:TTM)は、インドのアーユルヴェーダや中国医学、東南アジアの土着的な知識体系が融合した総合的な伝統医療です。人間の体は「土・水・風・火」の四大要素(タート)から構成されると考えられ、これらのバランスの乱れが病気の原因になるとされています。
ハーブは、この四大要素のバランスを整えるために用いられ、症状や体質に合わせて処方されます。単独で使われることもありますが、複数のハーブを組み合わせる「複方(ヤーホー)」が主流で、相乗効果と調和が重視されます。さらに、年齢、性別、気候、生活習慣なども考慮されるため、非常にパーソナライズされた治療法であるといえます。
また、タイには約2000種類もの薬用植物が存在し、地域や民族によって使用される種類や方法も多様です。薬用としてはもちろん、料理、飲用、芳香、タイ伝統マッサージなど、さまざまな形で日常生活に取り入れられています。まさに「暮らしに根ざした医療」といえる存在です。
現代におけるタイハーブの活用と展望
近年では、タイハーブの効能を科学的に検証し、製品化する取り組みが進んでいます。たとえば、大学や研究機関が中心となってハーブの成分分析を行い、抗酸化作用や抗炎症作用、抗菌性、認知機能サポートなどの研究成果が国際的にも注目されています。
また、タイ政府はハーブ産業の育成に積極的で、「タイ国家ハーブ政策委員会」を設立、「タイハーブ・ハブ」構想を通じて、ハーブを国際競争力のある資源として活用する方針を打ち出しています。健康食品や化粧品、医薬品原料としての輸出拡大が進められ、タイ
ハーブは今や農業、医療、経済をつなぐ成長分野となりつつあります。
〇タイハーブの叡智を未来へ伝えるために
タイのハーブは、自然の恵みと人間の知恵が重なり合って築かれてきた「植物との共生文化」です。その応用範囲は、伝統医療にとどまらず、現代のライフスタイルにも深く浸透しはじめています。
私たちがハーブを取り入れることは、単に身体を整えるだけでなく、自然との関係性を見直し、自分自身の体質や生活を深く理解する行為ともいえるでしょう。タイハーブは、過去と未来、東洋と西洋、自然と科学をつなぐ貴重な架け橋として、今後も多くの可能性を秘めています。そのためにも、一般社団法人日本タイハーブ協会では、タイハーブについて、タイ保健省が公表しているタイハーブにおけるデータや情報を、正確にそのままの形で紹介し、数値や内容を改変・誇張せず、公的情報としての信頼性を保ちながら発信してまいります。
また、今後はAIを活用し、タイハーブ辞典の公開や蓄積したハーブデータや製品の検索などを進め、必要な情報を必要なだけ入手できるタイハーブに特化したサービスなどを予定しております。
日本にいながらタイハーブの叡智や恩恵を受けられるよう邁進していきます。



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